2017.4.3.mon.

本命「ダブレット」は本来の力を出せたのか、17-18年秋冬東コレ回顧

 開始5分前、渋谷ヒカリエのショー会場は異様な雰囲気に包まれていた。欧州、アジアを軸に海外の取引先を急速に増やし、ビジネスも好調に推移しているブランド「ダブレット」(doublet)。初のファッションショーが一体どうなるのか、2017-18年秋冬シーズンの東京で最も注目を集めたブランドといっても過言ではない。その注目度の高さが、異様な雰囲気を作り出しているようだった。

様々な背景を持つモデルを起用



 ショーには計27体が登場した。人種、国籍など様々な背景を持つ人物をキャスティングし、ランウェイを歩かせた。プロのモデルはほんの数人。性別や身長、体型もバラバラで、その人物のパーソナルな価値観に「ダブレット」の服を纏わせている。モデルにはドラァグクィーンもいた。こうした多様な人物のスタイリングは難しかったと推測する。ただ、女性モデルに着用させたユニセックス仕様のスカジャンやスウェットは、分量感のあるオーバーサイズで対応。メンズ派生のオーバーサイズを女性モデルに用意したところに、デザイナーの遊び心を感じさせた。

袖のボリュームが特徴になったMA-1



 1990年代のレイブサウンドを織り交ぜ、当時のクラブシーンを表現したコレクションは、過剰なまでの装飾とレイヤード、ボリューム感を一体化している。すべてが過剰だが、シルエットやスタイリングは成立している。井野将之デザイナーは「(当時のクラブシーンという)非日常を日常に見せた」と語ったが、不思議とリアリティを感じたのは筆者だけではないはずだ。

リラックス感のあるスタイリングも



 これまで展示会で「ダブレット」のウェアを見てきたものの、ブランドの訴求は限定的だった。ストリートの文脈で語られることが多く、報道でも完成度の高い刺繍の装飾やクラフトワークがストリートの範疇を超えることはなかった。しかし今回、ブランドの世界観を打ち出したことで様相は一変する。海外のメディアも一斉に報道しており、ショーや出展のオファーが増えることも予想される。リアリティというブランドの本質をアピールできたことは、その時点で成功だったと思う。そして、ブランドを次にステージに引き上げるチャンスでもある。これまで「運に恵まれてきた」と語る井野デザイナーだが、運だけではない、その言葉を撤回する時がきたようである。

「ダブレット」2017-18年秋冬コレクション/ ©︎Japan Fashion Week Organization


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