2017.5.1.mon.

香港の有力バイヤーが「日本人デザイナーは才能がある。だが、何かが足りない」と講演で指摘

 先日、東京ビッグサイトで開催された合同展示会「JFW-IFF・MAGIC」において、アジアのバイヤーを招き「日本ブランドの可能性と今後」と題したセミナーが行われた。香港の有力セレクトショップ「シャイン」(Shine)のJonathan Lee=シニアバイヤー、「バウハウス」(BAUHAUS)のManchan=MD兼バイヤーが、日本人デザイナーの印象について語っている。

「シャイン」のJonathan Lee=シニアバイヤー(左)



 セレクトした計83ブランドのうち、約30ブランドが日本のブランドという「シャイン」は、香港をはじめ、中国本土にも店舗がある。中国本土では「ヨウジ ヤマモト」「コム デ ギャルソン」といったブランドが好調で、香港では「サカイ」「ファセッタズム」「ダブレット」などが売れ筋になっている。Jonathan Lee=シニアバイヤーは、支持を集める日本ブランドについて「自国のカルチャーを表現しながら、商品のクオリティも高い。ここで言うクオリティとは日本製ではなく、海外生産でも構わない。日本人デザイナーは、海外生産においても高いクオリティを求めるから。また、日本には特別な技術を持った工場が多く、スペシャルな商品を小ロットで作れる。世の中にはコピー商品が溢れているが、工場の技術を生かせば独自のモノを制作できるだろう」と語る。

 さらに若手デザイナーを見て、感じることがあるという。「日本の若手デザイナーは、欧州に進出する傾向が強い。しかし、日本での土台(販売実績)がないのに、海外で成功するほどファッションビジネスは甘くない。リサーチも必要だし、海外進出には様々なコストも掛かる。意思だけで行っても、結局うまくいかない。また、最近の消費者はSNSでブランドを探すことが多くなってきたが、日本はSNSでの発信が遅れている。消費者はSNSでブランドを探しながら、自分で見つけた充実感、レア感を求めている」とした。

 Jonathan=シニアバイヤーは、日本ブランドに対する造詣が深い。こうした厳しい意見も、リスペクトの裏返しでもある。「日本人デザイナーは才能がある。だが、何かが足りない。デザイナー本人がオーナーであることが多く、経営などすべてをコントロールしなければいけない。道を外れても修正する人がそばにいない。欧米では社長やディレクター、MDを考える人物がいて分業制になっている。若手デザイナーがメジャーな存在になるためには、日本の各団体や国レベルで支援が必要。また単なる支援ではなく、導く人物も必要だ。ロンドンや上海、ソウルでは国レベルで自国の若手デザイナーをどんどん前に出し、マーケットに売り込んでいる」。

 最後に東京のファッション・ウィークについては、「オーガナイズは良いが、(インパクトが)弱い印象を受ける。ランウェイショー以外でも(見せ方の)工夫が必要だ。ロンドンのファッション・ウィークは、パリやミラノでショーを行っている自国デザイナーを呼び戻している。パリコレに参加する有力日本人デザイナーを東京へ呼び戻すのも一つの方法だ」としている。

 次回は「バウハウス」(BAUHAUS)のManchan=MD兼バイヤーの意見を紹介する。

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