2017.5.8.mon.

仏プランタンのバイヤーが語る「東京ブランドのデザインは良いが、デリバリーが遅い」の真意

 過去2回にわたって香港から来日したバイヤーの意見を掲載したが、今回は仏百貨店「プランタン」のReynaud Jason=メンズバイヤーと、オランダのセレクトショップ「ヒデン」のPoyan Rahimzadeh=オーナーのコメントを紹介する。日本のファッション関係者を前にして、メンズブランドの客観的な印象を語った。セミナーの関係者から「デザインで影響を与えそうな、パリでトレンドの場所を教えてほしい」と質問されたが、プランタンのJason=メンズバイヤーは「東京はインスピレーションの宝庫。わざわざパリに行く必要はない」と語った。

プランタンのReynaud Jason=メンズバイヤー(左)と、ヒデンのPoyan Rahimzadeh=オーナー



 仏百貨店「プランタン」(Printemps)は、計250ブランドをセレクトしており、そのうち10ブランド(メンズ)が日本発のデザイナーズブランドになっている。「コム デ ギャルソン」「ヨウジ ヤマモト」「ファセッタズム」「ネイバーフッド」「ソフネット」「カラー」などを取り扱い、パリ本店ではハイエンドなストリート系ブランドが人気のようだ。同百貨店のJason=メンズバイヤーは「何よりもデザインが大事。日本の技術的な優位性よりも、デザインを第一に考えてほしい」と語っている。

 さらに「独創性を求めたいが、和装(きもの)のテイストは求めていない。弊社はデパートなので、セレクトショップと違い数多くのブランドがある。世界各国の消費者を相手にしているので、比較的知名度の高いブランドが好まれる。今回の来日で、やはりハイエンドのストリート系ブランドを買い付けたい」とした。東京ブランドに期待するのは、品質よりもデザインと言い切るJason=メンズバイヤーだが、もう一つ言いたいことがあるという。「春夏アイテムのデリバリーが5、6月という某メンズブランドがあった。何かアクシデントがあって遅れるならば仕方ない。しかし(東京ブランドは)全体的にデリバリーが遅い。品質にこだわり過ぎるブランドもある。少し改善すれば、輸出を早めることもできるのに」と語った。

 一方、オランダのセレクトショップ「ヒデン」(Hidden)のPoyan Rahimzadeh=オーナーは、「私も(東京ブランドの)デリバリーは遅いと思う。買い付けを継続しているのに、デポジット(預かり金)を求めてくるブランドもある。信頼しても良さそうなものだが」と語る。慎重を期すデザイナーの気持ちも理解できるが、バイヤーから見ると「日本人は慎重すぎる」ということなのだろう。Poyan=オーナーは、「SNSでのブランド発信も遅れている。消費者はSNSで日本ブランドを探している」と続けた。

 2人の意見で共通していたのは、デリバリーの遅さだけではなく「東京のセレクトショップに日本のブランドが殆ど並んでいない」ということだった。Poyan=オーナーは「東京でファッション・ウィークをしているのだから、自国の若手デザイナーを買い付けるべき。日本で土台(売上実績)と知名度があるブランドを探していたので、イメージと違っていた」という。さらに「いつも間延びする、東京のファッション・ウィークを1週間でまとめることができたら、さらにバイヤーの来日は増えるだろう。利便性を考えてほしい」とJason=メンズバイヤーは語った。


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