2017.6.8.thu.

香港ブランドの将来を占う試金石、バッグブランド「カフネ」の実力とは?

 2015年に創業した香港発のバッグブランド「カフネ」(CAFUNE)が、日本で取引先を開拓している。2017年春夏シーズンから「トゥモローランド」「オープニングセレモニー」で販売しているほか、今後は有力百貨店にも商品が並ぶ予定。東京・表参道のオープニングセレモニーでは、ピックアップブランドとして売り場を展開している。「カフネ」の強みについて、来日したクイーニー・ファン(Queenie Fan)=クリエイティブ・ディレクターと、デイ・ラウ(Day Lau)=マネージング・ディレクターに話を聞いた。

クイーニー・ファン=クリエイティブ・ディレクター(右)と、デイ・ラウ=マネージング・ディレクター



 日本にはプライベートでも来日するというファンは、「キャリアの浅いブランドなので、取引が決まって素直に嬉しい。日本以外では米国、UAE(ドバイ)、韓国に取引先がある。販売先はブティック系の店舗が主力で、16年度は40万香港ドル(約5600万円)の売上高になった。今後は欧州市場にもアカウントを増やしたい」と語る。

カゴバッグから着想を得たシンプルなバッグ



 同氏は米国のアートスクールを卒業後、「3.1 フィリップ リム」「コーチ」「ラグ&ボーン」でアクセサリー部門のデザインを担当してきた。「私はアート系の学校を卒業したので、一つひとつバッグの勉強を(各メゾンで)していった。また、部品の調達を頼まれ、NYの街中を走り回ったこともある。徐々に責任のある仕事を任され、独立に至った」とファン。一方のラウは「NYのコンテンポラリーブランドよりも価格を抑えている。強さを強調するようなデザインは避け、アバンギャルドな欧州ブランドよりも馴染みやすいバッグに仕上げた。競合が激しいゾーンだが、創業から2年弱でここまで広がった」と語る。

四角や台形が元になったデザインも



 商品は、カゴバッグから着想を得た円形のバッグやキューブタイプのショルダータイプが中心。女性が使いやすい形や大きさに焦点を当て、普段使いのチェーンバッグなどもある。いずれもイタリア製レザーを採用し、チェーンなどの付属品はオリジナルで対応。4〜6万円台のバッグが主力で、上質な素材と職人技にこだわった仕様になっている。「円形部分は接合のフィニッシュが難しく、工場と真剣に取り組んでいる。難しいテクニックだから、工場泣かせの仕様かも」とファンは語る。

チェーンバッグも提案



 また、欧米のファッションスクールや著名メゾンで経験を積んだ香港人が帰国し、現地で起業するデザイナーが増えている。ラウは、「香港人には、セント・マーチンズ美術大学(英国)、パーソンズ美術大学(米国)の人気が高い。香港政府の後押しもあり、香港でスタートアップ(起業)しやすい環境もある。今後も香港発のデザイナーが増えるのではないか」という。「カフネ」はミニマルでコンテンポラリーなバッグで、今後も型数を増やしながらブランド哲学を表現。キャリアパスを含め、日本人デザイナーにはない戦略性を感じさせるのも特徴だ。


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