2017.11.17.fri.

「リトゥンアフターワーズ」がショーで見せた、戦争と平和への問いかけ

 展示会でサンプルを見た時とはまったく異なる印象のコレクションだった。山縣良和「リトゥンアフターワーズ」(writtenafterwards)デザイナーが発表した2018年春夏コレクションは、先の戦争を想起させるものである。展示会ではパステルカラーを採用したシアなドレスを並べていたが、ショーでは毒とシニカルなテーマを加味していた。

 旧日本軍の兵士が少女をリヤカーに乗せて歩く姿や、千羽鶴を模したドレスの背後には、詰め襟の学生服を着た学生たちが行進した。赤ずきん姿の女の子は、実に平和的なベルを鳴らしながら歩いている。観客からは「かわいい」との声も聞こえたが、童話に出てくるような「赤ずきんちゃん」ではなく、筆者には防災頭巾に見えた。戦争と平和のせめぎ合い。ポジティブでフェミニンなドレスとは対照的に、戦争へ向かってしまった日本人の精神性に迫るコレクション。棺桶を引っ張る男性は、現在の日本の立ち位置を表しているのだろうか。ショーの後には、詩人・谷川俊太郎による「十二の問いかけ」が配られた。日々トレンドやSNSの更新に追われる中で、浅はかなファッション業界に問いかけるような一節もある。

 今季は、ブランド設立10周年を迎え「writtenafterwards 10th Anniversary Collection “After Wars”」と題したコレクションになった。山縣デザイナーは、17年春夏シーズンから「Flowers」をテーマに作品を制作し、18年春夏はシリーズ3部作の最終シーズンという位置付けになる。また、18年春夏シーズンの展示会では「国内外で販路が広がりそう」(山縣デザイナー)と語っていた。ファッションショーに偏っていたクリエイションのバランスも解消しつつある。今季がブランドにとって大きな飛躍につながりそうだ。





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